MQA-CD X SACDハイブリッド RADKA TONEFF ”FAIRYTALES” 感想

   ネットでたまたま見かけて知った、ちょっと珍しいCDを紹介します。
   RADKA TONEFF & STEVE DOBROGOSZ の「FAIRYTALES」です。
RADKA TONEFF & STEVE DOBROGOSZ「FAIRYTALES」
”FAIRYTALES”(正面)

RADKA TONEFF & STEVE DOBROGOSZ「FAIRYTALES」
”FAIRYTALES”(裏面)

   何が珍しいかというと、SACD/CDのハイブリッド盤なのですが、ただの2層構造ではなくて、CD層がMQA-CD仕様になっているのです。(下の写真参照)
   つまり、1枚のCDに3つの規格が混在しているわけですね。
RADKA TONEFF & STEVE DOBROGOSZ「FAIRYTALES」
MQA-CDとSACDのロゴが並記されている珍しい図

   普通のCDプレーヤーに入れると、CDとして聴くことができ、SACDプレーヤーに入れるとSACDとしてDSD音源を聴くことができます。
   更に、PCでリッピングしてMQA対応のポータブルプレーヤーで再生すれば、ハイレゾのMQAとして聴くこともできます。

   一粒で3度おいしい仕様は、オーディオ好きならちょっとワクワクしますよね。

   ということでAmazonで買って、3種類の再生全部を試してみました。
   使用したオーディオ機器はこんな感じ↓
  • CD: ケンブリッジオーディオTOPAZ CD5
  • SACD: DENON DBT-1713UD
  • MQA: Pioneer XDP-100R
   結果、ちゃんと3種類とも再生できましたよ!
   1枚のCDから3種類の音源が楽しめるって面白いですね。

   再生機器が全部違うので一概には比較できませんが、個人的にはSACDの音が一番心に響きました。
   DSD音源(SACD)は空気の震えが違って聴こえます。
   まあブラインドテストしたら当てる自信がないので、気のせいかもしれませんが。


   オーディオの話ばかりも無粋なのでCDの内容についても少し触れます。

”FAIRYTALES” はボーカルとピアノ伴奏のみというシンプルな作りのジャズアルバムです。
   歌手はラドカ・トネフさんというノルウェーの女性シンガーです。
   残念ながらすでにお亡くなりになられていて、1982年に発売したこの”FAIRYTALES” が彼女のラストアルバムとなりました。
   ピアノはスティーヴ・ドブロゴスさんという方が担当しています。

   とても静かなアルバムです。アルバムの白いジャケットに描かれている森のなかに迷い込んで、雨の音を聞ききながら、妖精を探している……そんな気持ちにさせてくれます。
   ボーカルの声は繊細で美しく、ピアノも穏やかなのですが、ときに鋭くもあります。
   抑揚のある構成は、静かに眠りを誘いながらも、寝かせてくれず、最後まで飽きさせません。
   トリプル仕様のオーディオ的な面白さを横に置いたとしても、おすすめなアルバムです。

   最後に。
   このアルバムはハイブリッド盤以外にも通常のCD盤も出回っているようです。
   僕がAmaoznで買ったときは商品ページにMQAともSACDとも書いてなくて、どの形式のCDが届くか不安でした。(届いたものは目的通りの商品でした)
   これからハイブリッド盤を買われる方のために、自分のCDに書かれていたJAN(EAN)コードを記載しておきます。
  JAN 7033662095612
  同じコード番号の商品を注文すれば、MQA-CD X SACDハイブリッド盤が届くはずです。たぶん。

RADKA TONEFF & STEVE DOBROGOSZ ”FAIRYTALES”(Amazon)