村上春樹「騎士団長殺し」文庫版第1部(上)感想

   2月に発売した「騎士団長殺し」文庫版の第1部をちまちまと読み進めています。
   僕は文庫派なので読むのはこれが初めてです。ハードカバーの発売から2年待ちました。

   ハードカバーは1部・2部の2巻構成でしたが、文庫は各部上下巻の4巻構成になるようです。
   一冊が薄くなる代わりに、お値段は少し増していそう。
村上春樹 騎士団長殺し 文庫版第1部

   最近めっきり集中力が落ち、文字を読み進むのが遅くなったため、上巻を読み終えるのに1ヶ月もかかってしまいました。いまは下巻を読んでいる途中です。

   今回は、遅ればせながら「騎士団長殺し」の第1部上巻の感想をさっくり書きます。

   出だしからしていつもの村上春樹って感じでした。
   ねじ巻き鳥や海辺のカフカで読んだことがあるような、なんとなく既視感のあるシチュエーションがあったりして、最初は真新しさを感じませんでした。
   しかし洗練された文章と、流れるようなリズムに、徐々に没頭していき、上巻の後半の、真夜中の鈴、上田秋成の「春雨物語」、祠、のあたりで、一気に引き込まれました。
   村上春樹はこういうホラーっぽいもの、言葉でしか表現できない恐ろしいもの、を書くのがうまいですよね。

   また、山奥の一軒家で一人で暮らす、という主人公の生活を、厭世的でいいなぁ~と思いました。
   まあ、本人に言わせれば望んで選んだわけではないのでしょうけれど。
   それでもなんかいいですよね、男のロマンがあります。



   そういえば、いつのまにか文庫版の第2部も発売になりましたね。
   僕は毎日10頁くらいの超ゆっくりペースで読み進めているので、第2部に入るのはG.W.になりそうです。