ちょっぴり話題のMQA-CDを買ってみた ~THE WHO「THE SINGLES +10」感想

   はい、こんにちは。ハイレゾの区別はつかないけど数値が高いと気分が高まる理系男子”やまぢ”です。

   今日は最近オーディオ界隈でちょっぴり話題になっているMQA-CDを購入しましたので紹介します。

   買ったのはMQA-CD仕様のTHE WHO「THE SINGLES +10」です。
   "THE WHO"は名前こそ知れど楽曲を聴きこんだことはありませんでした。しかし先日ラジオ番組「草野マサムネのロック大陸漫遊記」のなかでベースの田村さんがゲスト出演した際に”THE WHO”の曲が流れたのをきっかけに興味を持つようになりました。

   以前からMQAにも興味があったので「THE WHO × MQA」というコラボは自分のニーズに合い、買ってみることにしたのでした。

   MQA-CDの中身はこんな感じです。
   緑色の円盤です。ライナーノーツとMQAの説明書が突いてました。
THE WHO「THE SINGLES +10」 MQA-CD
THE WHO「THE SINGLES +10」(MQA-CD)

MQA-CDとは?

   MQAはハイレゾのフォーマットの1つです。
   詳細はこちらに載っています。⇒https://www.universal-music.co.jp/international/mqa-uhqcd/cat/mqa/

   下記に、MQA及びMQA-CDの特徴を自分なりに整理してみました。
  • 時間軸での音質の改善がある
  • 周波数軸ではCD以上のサンプリング周波数を備えるが、CDよりも高い周波数はCDの周波数領域に折り畳むことでCDと同程度のファイルサイズまで圧縮できる
  • サンプリング周波数が352kHzと高い(上限は製作者次第??)
  • FLACにすれば、CDよりもファイルサイズを小さくできる
  • MQA-CDは通常のCDプレーヤーで普通に再生できる(但しCD音質)
  • MQAプレーヤーで再生すればMQAとして認識されハイレゾ再生できる
  • ハイブリッドSACDと違って2層構造になっているわけではないので読み取りエラーも少なそう
   個人的にMQAがよいなぁと思ったのは、ハイレゾなのに圧縮してファイルサイズが小さいことです。
   費用対効果というかサイズ対効果を考えると、192kHz/24bitのFLACや5.6MHzDSDって、割が合ってない気がするんですよね。
   スマホの容量をギガ食ってるのに、それほど音質が改善しているとは思えない。

   また時代錯誤な好みかもしれませんが、自分は現物派(=CDを手元に置いておきたい)なので、CD形式であることも嬉しいです。

   MQAは 「ハイレゾ × スモールサイズ × CD対応」 ということで、かなりの期待があります。

THE WHO「THE SINGLES +10」感想

   MQAのことは抜きにして、まずは「THE SINGLES+10」の感想を書きます。

   古いアルバムですがシングル集ということもあり捨て曲無しで聴きごたえがありました。
   ロック大陸漫遊記で流れた楽曲は収録されていませんが、代わりに(?)映画「聲の形」のオープニング曲「MY GENERATION」が収録されています。
   歌詞はわからないので音だけで楽しんでいますが、どの曲も気持ちのいいロックです。

   ライナーノーツが封入されておりアルバムの解説と全曲解説を読むことができます。
   洋楽は詳しくないので勉強になりました。

   60年代の英国ではシングル曲をアルバムに収録しないという慣例があり、シングル曲のコンピレーションの存在意義は非常に高かったそうです。
   今だとシングルベストと聞くと、簡単に売れる手段=商業主義って感じてしまいますが、そうじゃないんですね。

   何だかんだでけっこうハマっており、ここ一か月ばかり洋楽といえば「THE SINGLES +10」ばかりかけてます。

MQA-CDの感想

   ここからが、気になるMQAについてのレビューです。

CDプレーヤーでの再生

   まずは当然のこととして、MQA-CDを普通のCDプレーヤーで再生できました。
   使用した機種はケンブリッジオーディオ「TOPAZ CD5」です。
   特に読み取りにつまづいたりエラーが出たりすることはありませんでした。

MQAを何で再生するか?

   MQA-CDは、CD音質ならば通常のCDプレーヤーで再生できますが、MQA音質で聴こうとする場合MQA専用プレーヤーが必要になります。
   僕は手持ちのパイオニア製のデジタルオーディオプレーヤー「XDP-100R」がMQA再生対応だったので、これで聴くことにしました。

MQAをリッピングする

   まず「THE SINGLES +10」をパソコンに取り込みます。ソフトはSONYの「Meadia Center for PC」です。
   リッピングの際は、非可逆圧縮のmp3やAACを選ばず可逆圧縮のFLACを選びます。
   ここで注意!ただFLACとして取り込んだだけでは、XDP-100RのMusicアプリがMQAと認識してくれませんでした。

   調べてみると、「Meadia Center for PC」でリッピングするとヘッダー情報が認識されずMQA再生できなくなるようです。
   そこで「MQA Tag Restorer」というソフトを使ってMQAのタグ情報を追加します。
   MQAタグを追加してもFLACファイルはFLACのままです。
(MQA Tag Restorerについてはこちら⇒http://www.mqa.co.uk/customer/tag435sdf43te

   MQAタグを追加したFLACをXDP-100Rに保存し、MQA対応のMusicアプリで再生!!
   はい、画面にはちゃんと”MQA”のロゴと”352.8KHz”のマークが表示されました。
MQAタグ

   で、音質はというと……よくわからなかったです。

MQAタグの有無で聴き比べ

   実は最初MQAタグが付いていないことを知らずに普通のFLACを保存していたため、XDP-100RのなかにはMQAタグ有りと無しの2つのFLACファイルが混在していました。
   そこで試しに両者を聴き比べてみたのですが、顕著な差分は聴き取れませんでした。
(MQAタグ無しの場合CD音質で再生しているはずなので、ハイレゾ再生しているMQAタグ有りの場合と比べて、本来なら差があって然るべき……)

   まあ現代の技術で50年以上前の音楽をリマスタリングしているわけですから、基本的に音質は向上しているんじゃないかと思うんですよね。MQA云々関係なく。
   あと、宣伝文句を読むと、時間軸上の音質改善はMQAだけでなくノーマルなCDでも得られているようです。
   そう僕の耳が悪いわけじゃない。全体的に音質が底上げされているんだ!(いいわけ)

おわりに

   ということで、初めてのMQA-CDはいまいちその恩恵を感じることができませんでしたが、アルバム自体はとても良いものだったので満足しています。
   MQA-CDの値段は1枚組なら3000円、2枚組なら4000円程度と普通のCDと変わりません。
   世にあるハイレゾ商法と違って割り増しがなく、懐を痛めることもないので、ものの試しに買ってみるのもいいのではないかと思います。

   次はもっと最近の音楽でMQA-CDを買いたいなぁ……。