ずっとずっと続きますように ~スピッツ「1987→」感想

「1987→」はスピッツの「サイクルヒット1991-2017」のDisc3の15曲目に収録されています。

パンクバンド・スピッツ

   この曲について草野さんは「バンド結成当初の“ビートパンクバンド”スピッツの新曲という想定で作った1曲」と語っています。
   2017年発売の最新版「サイクルヒット」のトリを飾っており、結成30周年を迎えたスピッツの記念碑的楽曲といえそうです。

   などと大袈裟に書くと、オーケストラ編成の壮大なバラードを想像してしまいそうですが、出来上がってきたものはシンプルでストレートなパンク・ロックです。

   もしも事前に「30周年でスピッツに歌ってほしい歌」というアンケートがあって、選択肢のなかに「初期のスピッツのようなロック」という項目があったら、間違いなく、それを選んでいたと思います。
   なんというかですね、今聴きたいものを作ってくれたという感じ。聴いた瞬間これだーー!って歓喜しました。
   小粒でも、山椒みたいに激しく熱いロック。それが「1987→」です。

MVが熱い!

   特にYouTubeで先行公開されたMVがすごくよかった。
   これまでのスピッツのライブ映像をコラージュしたものなのですが、ただつぎはぎしただけではなくて、ばっちり音と映像がシンクロしていて、激熱なのです。
   最初観たとき、あまりに感極まって、夜の河原を走りに行ってしまいました。
   聴いたら、じっとしていられない!駆け出したくなる!!そんな荒ぶる魂をびりびり(めらめら?)感じました。


ギターと歌詞が熱い!!

   歌は2分台ととても短い。無駄なものを全部そぎ落として本当に大事なものだけを高純度で固めた感じです。
   でもギターソロはばっちり入っています!!短くまとめるからといってギターソロを外したりしない。だってスピッツはギターバンドだもの!
   そのブレないスタンスがまた素敵です。

   そして歌詞です。これがどこを切り出してもかっこいい。青臭くて純粋で、エネルギに満ちてる。
   一回聴いただけで歌詞がすんなり入ってくるくらいシンプルなのに、心にガツンと響きます。

「なんかありそうな気がしてさ 浮かれた祭りの外へ」……賑やかな祭りの外にある、ふとした暗闇って、その先に何かありそうでふらふらと惹かれますよね。子供のころに感じた夜の屋台の怪しい雰囲気やわくわく感を思い出しました。

「らしくない自分になりたい」……これって”自分らしく生きたい”とは逆のことを言っているのに、同じ意味のことを言っている気がします。このあたりの言葉の選び方がほんとすごいなぁと思います。

「不思議な歌を作りたい」……「不思議な歌」という表現が草野さんにぴったりですよね。なんとなくですが、ブルーハーツの「僕の右手」という歌を思い出しました。なんとなくですが。

「ヒーローを引き立てる役さ きっとザコキャラのまんまだろう」……武道館ライブのBlu-rayを観なおしてたら、草野さんがアンコール前のMCで「最高にイカしたザコキャラを目指して……」と話していたことに気付いて、なんだかちょっと嬉しくなりました。ずっとそういう気持ちで歌っていたんだなって。
   ザコキャラとは言っていても脇役とは言ってないのがミソかなと思います。
   最高のザコキャラはきっと最高の主人公にだってなれる(はず)!
 

まとめ!!!

   熱く語りましたが、30周年とか関係なく今ファンが聴きたいものを作ってくれた、というのがとても嬉しかったです。いや、違うのかな。今作りたいものを作ったらそれが聴きたいものと同じだったってだけなのかも。
   なんにしろ、幸せで嬉しいことですよね。スピッツのファンでよかったなって思います。

   これからもスピッツの歌がずっとずっと続いていきますように。
   暗い色に世界が染まっても、嫌なものに心が苦しくなっても、スピッツの歌がずっとずっと続きますように。