ネット通販でエアコンを買うとほんとにお得か? メリット・デメリットを考える

Panasonicエアコン

   エアコンをネット通販で買いたいけど、実際どれくらい安くなるのか?工事は大丈夫なのか?など不安や疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。
   この夏、僕はネットショップでエアコンを2台購入し子供部屋に設置しました。
   そこで、その経験をもとに、ネットでエアコンを買うのはどんな感じで、果たしてお得なのか?を書いてみたいと思います。

   先に結論を述べると、ネット通販は値段は安いが何かと問題もあるのであまりおすすめはできない、です。
   あくまで個人的な経験の一例でしかないので、これが全てではないと思いますが、エアコンをネットで買う際の参考にしていただければ幸いです。





1) エアコン購入の動機

   まずはエアコンを買おうと決めた理由です。
   僕の住む石川県でも37℃を超えた日が何回かあるくらい、今年の夏は暑かったですよね。
   7月から猛暑・酷暑。しかも夏休みに入った小学生の子供たちは暑さで外出を控えて家にいることが多く、居間で喧嘩して暴れ放題。四六時中子供と一緒にいる妻はストレス貯まりまくり……もうこうなったら、子供たちが視界から消えてもらうため2階で遊んでもらおうということで、2階の子供部屋にエアコンを取り付けることを決めました。
   エアコンの無い子供部屋は2部屋あるのでこの機会に思い切って2台購入することに。

2) できる限り安くすませたい

   あまりお金もないので、できれば安くすませたい。
   エアコンは高機能・多機能でなくてもかまいません。
   よく電気屋さんのチラシで先着5名様限定の客寄せパンダ的な最安商品がありますよね。アレで十分です。
   だけど更に安くすることはできないか?
   そこですぐに脳裏に浮かんだのがネット通販です。

   価格.comに表示されている価格だけを見ると、リアル店舗のものよりもものすごく安い。でも実際にはこれに加えて工事費用やオプション代がかかります。
   トータルでほんとに安いのか?
   実店舗の無いネットショップで買って工事は問題ないのか?

   まずは値段についてリアル店舗とネットショップで相見積もりを取って比較してみました。

3) エアコンの値段比較 ~リアル店舗 VS ネットショップ

   何件も見積もりを取るのが一番いいのでしょうが、そこまで手間もかけられなかったので各1件ずつ見積もりを取りました。
   条件は
  • 6畳用で一番安いもの
  • 2台
  • 設置場所は2階
  • 平置架台あり

   なお、見積もりは'18年07月時点のものです。
   リアル店舗は大手のJ社、ネットショップは価格.comで調べて上位に出てきたD社です。

リアル店舗J社の見積もり

  1. Panasonic「CS-22HFJ-W」 ¥54,584 x2 = ¥109,168
  2. 標準工事費 ¥19,600 x2 = ¥39,200
  3. 送料 ¥0
  4. 小計 ¥148,368
  5. オプション代 ¥12,200 x2 = ¥24,400
  6. 平置架台 ¥9,300 x2 = ¥18,600
  7. 合計 ¥84,484 x2 = ¥191,360

ネットショップD社の実際の費用

  1. Panasonic「CS-22HFJ-W」 ¥38,980 x2 = ¥77,960
  2. 標準工事費 ¥13,160 x2 = ¥26,320
  3. 送料 ¥3,240
  4. 小計 ¥107,700
  5. オプション代 ¥18,900 x2 = ¥37,800
  6. 平置架台 ¥13,500 x2 = ¥27,000
  7. 合計 ¥86,160 x2 = ¥172,320
※「オプション代」は、2階から1階までの配管費用や化粧カバー代になります。標準工事費のみでは1階にしか設置できません。また配管もテープを巻いただけのむき出し状態です。
※※「平置架台」は室外機を嵩上げする金属の土台のことです。これがないと室外機が地面の上に設置されるので大雪の際に雪に埋もれることがあります。

   ネットショップの場合、注文した時点ではエアコン+標準工事費+送料の「4.小計」の値段までしかわかりません。
   この小計をリアル店舗と比較すると約4万円のメリットがあるのでネットでの購入を決めました。

   オプション代込みの見積もりはエアコンを注文した後に、工事を担当する工事会社から連絡があり、そこでわかりました。お金は工事当日に現金で払います。
   結果的には、オプション代と平置架台がネットショップの方が高いため、リアル店舗との差は1万9千円まで縮まってしまいました。
   これは2台分の差なので、1台だと1万円弱ですね。正直、微妙な差分です。

   また、平置架台の下に敷く直方体のブロックが2個x2セットで¥8,000もしたのですが、あまりに高いので当日工事の人と交渉して0円に値引いてもらいました。
   もしかしたら、このブロック代がリアル店舗の見積もりには抜けているかもしれません。

   整理すると、最安クラスのエアコンを2台購入して工事費まで含めた費用のリアル店舗とネットショップの差額は¥19,000でした。
   このあと、ネットショップゆえのいろいろな苦労が待っているのですが、それを差し引くと正直言って、¥19,000の儲けでは割が合わない気持ちになりました。

4) エアコン設置までのスケジュール

7月21日 ネットで注文
7月23日 注文確定&振込先の連絡
7月25日 午前入金
7月26日 電話で入金を直接連絡
7月27日 エアコン工事会社から工事日の連絡
8月17日 エアコン工事完了

5) ネット注文から工事完了までの流れ

   最初からトラブルが続き、なにかと大変でした。
   順に追っていきます。

1.注文するも電話がつながらない

   ネットショップのホームページからエアコンを注文し、後日指定の口座に入金しました。
   しかし入金確認の連絡メールが届きません。それどころか早く入金してくださいと催促メールが来る始末です。

   心配になり、購入先のD社に夕方に電話したのですが、営業時間を過ぎていたので電話がつながりませんでした。
   仕方ないので翌朝もう一度かけなおしましたが、今度も営業時間外でつながりません。
   よく見ると電話の受付時間が平日11:00-15:00の僅か4時間しかありません。
   経費削減のためだと思うのですが、いきなりネットショップのデメリットにぶつかってしまった気分です。
   これも安さのためと我慢してお昼に三度目の電話。ようやくつながりました。

   担当者に調べてもらうと、どうやら正しく入金はされていたのに確認漏れしていたとのことです。なんだそれ!?
   こんなことは初めてです。
   この時点でちょっと不安感が増しました。

2.工事日が遅い

   入金確認が完了した翌日の7月27日に工事会社から連絡があり、最短工事日は8月17日と言われました。
   子供がずっと家にいる夏休みのためにエアコンを取りつけたかったのに、8月の後半にならないと設置できないというのはかなりがっかりです。
   猛暑で工事が立て込んでいるので仕方ないと思うのですが、リアル店舗のJ社で7月20日ごろに最短工事日を確認したときは8月8日と言われました。
   ネットショップの工事日よりも9日も早い!

   ネットショップの工事日が遅い原因は、注文から入金確認までに時間がかかることにあるのではないかと思います。
   リアル店舗なら購入を決めたその日には工事依頼ができるのでその分早いです。

3.誰が工事するのか?

   ネットでエアコンを注文したときに気になるのは、いったい誰が工事するのだろうという点ではないでしょうか。
   結局のところ、エアコン工事全般を請け負っている会社があり、そこから担当エリアに仕事を回しているようです。

   ネットショップ「D社」
   ↓
   電気工事会社「(株)工事センター」
   ↓
   地元の工事屋さん

   僕の住む石川県の場合、2番目の電気工事会社は新潟にある支店でした。

4.エアコンは別途配送される

   注文したエアコンは工事の人が持ってきてくれるわけではなく、直接家に届きます。
   工事の日まで日数がある場合、その間ずっと自宅でエアコンと室外機を保管しておく必要があります。
   けっこう邪魔ですし、室外機は保管している間に故障したりしないか心配になります。まあもともとも室外に置くものなので問題はないはずなのですが、こればかりは気分の問題です。

5.工事当日

   エアコン工事に来たのは50代くらいの男性1名でした。
   2人だと楽だと思うのですが、工事の件数が多いからかコスト削減かはわかりませんが、1人での対応でした。
   2台のエアコンを1人で工事されたので、朝始まって夕方近くまでかかりました。6時間以上?けっこう長いです。

   ネット注文ということで工事の腕には懐疑的でしたが、工事が終わってみれば冷風も出て無事動いたのでまず一安心。長期的に稼働させて問題があるかまではこの時点ではわかりませんが、そこは信じるしかないとして……すぐにわかる問題がありました。
   それは……室外機の設置が雑すぎる!!

   室外機を設置したところは家の壁と隣の塀との間に90cmほどのスペースしかありません。
   このスペースは勝手口に置いたゴミ箱からゴミを取り出して運んだり、倉庫にしまったキャンプ用具を運んだりする通路となるため、室外機はできる限り壁側に寄せてスペースを空けたいところです。

  それがどうなったかというと……実際に設置された室外機の写真がこちらです。
室外機(ネットショップ)
   まず架台を固定するブロックが長すぎて邪魔です。
   次に架台と室外機のサイズが合っておらず、架台の幅が大きすぎて邪魔です。
   最後に架台と家の壁の間に隙間があって架台が前に飛び出していて邪魔です。

   ちなみに今回は購入を見送ったリアル店舗のJ社で数年前に設置してもらった室外機がこちら。
室外機(リアル店舗)
   ぎりぎりぴったりに設置されていて完璧です。これぞ職人技。

   こんなところで業者の能力の差が出るんですね。
   おかげで今は朝のゴミ出しのときに室外機が道を塞いでちょっと面倒です。

6) ネット通販でエアコンを買うのはお得か?

   あくまで自分が体験したネットショップ一例のみのお話ですが、メリット・デメリットを整理します。

メリット

  • 少しだけリアル店舗よりも値段が安い

デメリット

  • 注文から注文確定まで時間がかかる
  • 工事日が遅い
  • 何かあったときに連絡を取りたくても電話受付時間が短い
  • 工事日まで家でエアコンを保管しておかないといけない
  • 工事が雑
   最終的にどれだけ安くなったかは3)に書きましたが2台で2万円弱です。
   工事完了までのやりとりが面倒なことや、室外機の設置がいまいちだったことを考えると、2万円程度では得した気分はしないですね。
   今回わかったことは、ネットでエアコンを買うことはおすすめしない、です。

   値段的なことにしぼると、ネットショップはオプション代が高いのがかなりダメです。
   サイト上でわかる価格はオプション代無しなので、安く見えます。うまくできていますよね。

   標準工事のみ(1階設置、化粧カバー無し、架台も無し)でよいならば、ネットで買うメリットはあると思います。
   しかしオプションも付ける(2階設置、化粧カバーあり、架台あり)となるとメリットは薄れます。リアル店舗と比較してよく考えて購入しないとあとで後悔することになります。

7) エアコンを安く買うにはどうしたらいいか?

   最後に参考までに会社の後輩がエアコンを安く買った方法を書いておきます。
   たいした話ではないのですが、リアル店舗に行って、そのお店のネット販売価格をスマホで見せたら、あっさりその値段まで値引きしてくれたそうです。
   これが一番いい方法ですね。リアル店舗で買えば、あとのやりとりもスムーズですし、何より3年保証がついてきます。(注:いつもそうかはわかりませんが)

   先にこの話を聞いておけば、自分もネットで買ったりしなかったのになぁ。