正午だ、探検に出かけよう! ~徳永英明「Revolution」感想

「Revolution」は1991年10月に発売された徳永英明の7枚目のアルバムです。
徳永英明「Revolution」(Amazon)


   僕のなかでは「Realize」から「Nostalgia」までを勝手に第2期と思っているのですが、そのなかで一番好きなアルバムが「Revolution」です。
   明るくてアレンジのわかりやすい曲が多いので、「Revolution」が好きというと、にわかっぽい(?)感じもしますが、まあ実際好きなので仕方ないですね。

   徳永英明のアルバムはどれも夜のイメージが強いですが、「Revolution」のイメージは昼です。ジャケットも草原に立っていて明るいですし。
   そのイメージの通り、明るい曲、アップテンポな曲が多いのも特徴です。
   アルバム全体から、上昇気流に乗ったような勢いの良さが感じられます。
   ライブで盛り上がる鉄板曲、「Revolution」「Wednesday Moon」「負けるな」
   あやしい雰囲気で異国を旅しているような「La vie en rose」
   未来へ向けたメッセージがこめられたバラードの名曲「Love is all」
   どれも好きな曲です。

   また明るい曲だけではなく、暗めの曲にも良いものがあります。
   センチメンタルでメロディの美しい「桜」や、ウィスキーが似合いそうな「どうしようもないくらい」
   おまけに、一見すると捨て曲と思える「BOXER」までも何度も聴いていると変なメロディと変なストーリがクセになってきます。特に「名誉栄光観光誘致」という歌詞のゴロの良さはたまりません。

   徳永さんの曲って何回か聴かないと良さがわからない難しいものが多かったりもしますが、このアルバムに関してはその心配はないと思います。
   アップテンポな曲からバラード、明るい曲から暗い曲まで幅広くカバーして、しかも一回聴いただけで良さがわかる曲が多いです。
    今から20年以上前に出たアルバムですが、初めて聴いた人でもきっと気に入るのではないかと思います。

   そんなわけで、どの曲もほぼおすすめなのですが、あえておすすめを3曲選ぶとしたら、⑥「桜」、⑦「負けるな」、⑩「どうしようもないくらい」です。
「桜」は一度でいいからライブで聴きたいと思っているくらい好きです。「負けるな」はまたライブで指を天に上げるあの動作を会場みんなでやりたいですね。
   そして「どうしようもないくらい」ーー十代のころはほとんど聴かなかったのですが、数年前くらいから会社帰りによく口ずさむようになりました。
「でもどうしようもないくらい情けない声でも叫んでみるさ 殻を引き裂いて」という歌詞が妙に心に染みるんですね。
   今日も一日おつかれさまでした、って気分で歌ってます。

* * *
   ところで、このアルバムを聴くといつのころからか探検に出るイメージが沸くようになりました。
   ずっと何なんだろと思っていたのですが、最近になって二十数年ぶりに「Revolution on Film」のライブDVD(当時はLD)を観て、その謎が解けました。
   オープニングフィルムの「La vie en rose」を観て、ああ、これかぁ!って思いました。徳永さんとバンドメンバーが地図を広げて探検(?)に出るシーンがあって、それが記憶の片隅に残っていたんですね。

   机の前で音楽を聴くだけじゃなくて、僕も探検に出たいものです。
   時間は正午。12時のチャイムとともにWalkmanの「Revolution」を再生して。未知の大陸を目指すのは無理にしても、ほんのちょっと遠くの本屋やCDショップに足を伸ばすくらいの。何か新しい発見を求めて。