ビレバンが何だかわからないお店になってしまった

   先日、近くを通ったついでにヴィレッジヴァンガード (ビレバン)に久しぶりに寄ってみたら、同じショッピングモールのなかで店舗が移転していました。
   場所が変わっただけならいいのですが、他にも変わったことがいくつかあります。思うところがあったので、記事にしました。

移転して変わったこと

  1. 床面積が狭くなった
  2. 間口が広くなった(奥行きがなくなった)
  3. マニアックな商品が減った
   まず以前の店舗よりも床面積が狭くなりました。場所も変わったので簡単に比較できませんが、たぶん以前の70%ほどの大きさになったのではないかと思います。
   また新しい場所では間口が広くなりました。その結果、モールの通路と面する部分が増え奥行きがなくなり、店全体が明るくなりました。
   そして、狭くなった影響で商品数は少なくなってしまいました。しかも、売れ筋品とマイナー商品との比率が一定のまま商品数が減るのではなく、マイナーでマニアックな商品が大幅に削られました。

   もともとは店の奥に行くほど怪しくいかがわしい雰囲気が漂っていたのですが、狭くなり店舗が明るくなったことでサブカル臭やアングラ感が払拭され、空気が浄化されてしまった気がします。

ビレバンの魅力

   人って、綺麗で純粋なものに惹かれる一方で、雑多で猥雑なものにも惹かれるじゃないですか。ビレバンの持つ魅力って、この猥雑な部分だと思うんですよ。何かおもしろいことないかなと、何を買うでもなくふらっと立ち寄りたくなります。
   ところが店舗が新しくなってそうした魅力がごっそり失われてしまいました。

    店が狭くなったことで、奥には何があるんだろうというドキドキ感がなくなり、店が明るくなったことで、ちょっとあやしい雰囲気がなくなり、売れるかどうかわからないような変てこなものが消え、売れそうなわかりやすいものだけが残りました。 
   これではただの雑貨屋さん(しかも特にかわいくもおしゃれでもない)でしかありません。
   今までは「よくわからないものを売っている何だか楽しいお店」だったのに、新しい店舗は「当たり障りのない何だかわらないお店に変わってしまいました。※今日もう一度見てみたら、以前ほどマニアックでなくなっただけで、普通よりは変でした。

   このことがビレバンの1つの店舗だけの話なのか、全国的にそういう傾向にあるのかはわかりません。
   ただ、とんがった個性を維持できるだけの企業体力がなくなってきている、というのはビレバンだけではなく日本全体に言えることのように思います。なんとなくですが。

ビレバンで買ってよかったもの

   せっかくなので、自分がビレバンで買ってよかったものを載せておきます。
   そこまでマイナーではないのかもしれないけど、タワレコや普通の本屋ではピックアップされてない、そんなものたちです。
ビレバンで買った本やCD

音楽: ESNO「Visionary」
   綺麗なメロディが気持ちいい。他の音楽ではビレバンはジャージーHIPHOP系が強いので、よくお世話になりました。あとは金沢ということもあってか中田ヤスタカ、capsuleもよく取り上げられていました。

小説:ポール・オースター「ムーンパレス」
   新作とか売れ筋とか関係なくおもしろければピックアップするというビレバンのスタンスのおかげでポール・オースターを知ることができました。村上春樹好きなら肌に合うと思う。

絵本:なばたとしたか「こびとづかん」
   大ヒットする少し前くらいからビレバンでは推してましたね。キモ可愛いこびとの絵にひかれて、子供もいないのについつい買ってしまいました。その後、子供ができてからは子供も好きになりよく読み聞かせました。

漫画:小森羊仔「シリウスと繭」
   流行りからちょっと離れている独特の絵柄(でもかわいい)とピュアなラブストーリ(ただしちょっと淡々としてる)が魅力。その後、同じ著者の他の漫画も買いましたが、それもよかった。

お菓子: 固いポテチ
   一袋が500円くらいする外国のポテチも売ってました。普通のポテチと違って固くて、食べ応えがありおしいかったです。今も売っているのかな。

   ということで、主に本とCDの紹介でした。
   なんだかんだでビレバンは自分の知らない本やCDをおすすめしてくれるお店として活用してたってことみたいです。

   そういえば、マンガのスペースも縮小されてたし、小説に至っては完全に消滅していました。
   あのゆるいようで熱い店員さんの商品POPが結構好きで、POPにつられて買ったら、当たりでいい買い物をしたっていうことも多かったんですけどね。