笑うしかない! ~PELICAN FANCLUB「Home Electronics」感想

   毎月CDショップで買ったCDを紹介する「今月のCD」のコーナーです。
   11月に買ったのはペリカンファンクラブのファーストフルアルバム「Home Electronics」です。

   ペリカンファンクラブを初めて知ったのは、対バンと知らずに行った7月のmol-74の金沢ライブでした。そのときの3組の出演バンドのラストを飾ったのがペリカンファンクラブです。
   会場の雰囲気がよかったのもあって、全曲知らない曲でしたが、最初からノリノリで飛び跳ねることができて、とても楽しいライブでした。
   それ以来、ずっと気になっていたのですが、なかなかCDを買う余裕がなく、ライブから4カ月が経ってようやく1stアルバムを購入し、じっくり聴くことができました。

「Home Electronics」感想

   4ピースバンドであることを全開に活かしたサウンドとメロディがものすごく気持ちいいです。聴いていると飛び跳ねて駆け出したくなります。詩は語感が良く、ところどころに、おッと感じる言葉も散りばめられていて、良い感じです。
   僕は3回通して聴いたくらいから急激にハマって、ここ最近はヘビーローテーションで聴いています。
   今年新しく知ったアーティストの中では、雨のパレード、mol-74に負けず劣らず素晴らしいです。

   以下、曲ごとの簡単な感想です。

1. 深呼吸
   オープニングからドッと突風にあおられたような快心の一曲。くるくると回って飛び跳ねたくなる。「1234」というカウントダウンが気持ちいいし、サビの「吐いて吸い込む 緑の香り」というフレーズも好き。

2. Night Diver
   ドライブ感があり、ぐんぐんと引っ張ていくメロディが気持ちいい。

3. Luna Lunatic
    サビの「歌う 歌う 歌う 歌う 歌う」というところの、上昇感が楽しい。

4. Black Beauty
    ダークで激しい。悪っぽい。綺麗なメロディだけじゃない、何でもありな懐の広さを見せつけてくれる。

5. You’re my sunshine
   レトロでトロピカルな歌。他の曲から浮いているようで、実はアルバム中盤の良いアクセントになっている。

6. 夜の高速
   金沢のライブで初めて聴いたとき、繰り返される「夜の高速」というフレーズが印象的で、耳に残りました。Aメロの単調なメロディと繰り返される「夜の高速」が、いい感じで眠気を誘う。聴きながら眠りについたら、アウトロに入ったころ、地上を離れて夜空の向こうの銀河まで連れて行ってくれそう。夢見心地な一曲。

7. ダダガー・ダンダント
   各所で韻を踏んでいて、音の響きが気持ちいい。タイトルの造語?の元になっている「駄々が段々と」という言葉が敵なしに素敵。

8. 許されない冗談
   4曲目と同じく、アルバムの「不良」担当。サウンドが荒々しく、歌詞も激しい。

9. Trash Trace
   サビの「ハッピーエンドについて考える」のところで、コーラスで音が厚くなるのが好き。かっこいい。この曲から次の曲への流れが好きで、9,10曲は何回もリピートして聴いてしまう。

10. 花束
   金沢ライブのラストの方で歌ったのを聴いてすごく感動して、これを聴きたくてこのアルバムを買いました。タイトルがわからなかったので、もし収録されていなかったらどうしようかと思ったけど、歌を聴いて数秒で、これだー!って思わずガッツポーズ。また聴くことができて良かったです。全体に漂う明るく澄んだ雰囲気が好き。サビでは雲の隙間から光がさしこむような清々しさがある。今回のアルバムのなかでのナンバーワン。

11. 朝の次へ
「まるでカミーユが描いた朝 ミルクをかけたような優しさに包まれた」という歌詞が綺麗な一曲。

12. Esper
「笑うしかない あはは」という歌詞が最高。スタッカートで歌うAhahaがすごく楽しい。メロディに言葉を乗せるのがうまいというか、語感のセンスが良いというか、聴いていたらニヤッとなった。明るくノリのいい曲でアルバムをしめるという構成も◎。

おすすめ
   おすすめは、①深呼吸、②Night Diver、⑥夜の高速、⑨Trash Trace、⑩花束、⑫Esper です。

2017年11月のCD:
PELICAN FANCLUB「Home Electronics」

PELICAN FANCLUB「Home Electronics」(Amazon)
    2017年5月10日発売。全12曲収録。