藤原さくらの「春の歌」は結構好きかも

   3日ほど前に Google Play Music を見ていたら、藤原さくらさんがカバーした「春の歌」がいつのまにか配信されていたので、今さらですが、初めてフルで聴きました。
Google Play Music 藤原さくら「春の歌」

   映画の主題歌に起用されたということもあり、これまでにも、断片的には聴いたことがありました。そのときは、オリジナル版との差が大きすぎて、あまり良いイメージを持ちませんでした。



   スピッツの「春の歌」は、イントロからして勢いがあります。聴いていると、寒く暗い冬が終わり、雪が解けて、「春だー!!」って両手いっぱい広げて、つくしの生えた草の上で踊りたくなる衝動にかられます。
  一方の藤原さくらさんの「春の歌」は、テンポもスローですし、どこかぼおっとしてます。部屋の中で、蜜柑を食べてごろごろしながら、暖かくなってきたしそろそろコタツを片付けようかなぁってつぶやいていそうなイメージです。

   テンポが遅くなっているし、メロディもちょっと変えているし、力強さが消えて気だるそうだしで、一見すると、オリジナルの歌の持つ良さをことごとくつぶしているように見えます。
   しかし、オリジナルと違うアレンジをすることで歌の持つ別の側面が現れてくれるなら、それもありなんじゃないかと僕は思います。
   ということで、あたまから否定せずに何回か聴いてみることにしました。

   僕がカバー版を聴いてまず初めに良いなぁと思ったのは、歌全体に流れる気だるい感じでした。春って、いやっほー!って踊りたくなるだけじゃなくて(自分だけか?)、あたたかい陽だまりのなかでぼおっとしてうたた寝したくなる面もあるじゃないですか。気だるくぼおっとなるのは、春という季節の特徴の一つだと気付いたとき、これはこれで良いんじゃないかと思えました。
   次に、サビの「♪春の歌~」の部分で、コーラスとホーンで盛り上がる演出が楽しい。オリジナル版がバンドサウンド全開のロックなら、カバー版はみんなで楽器を持ち寄って輪になって歌う感じ。これも「春の歌」というかスピッツの歌が備えている持ち味のひとつですよね。みんなでゆるゆるっと歌うならテンポもスローで正解な気がします。

   逆に、ダメというか、何だかいまいちと思ったのは、歌の終わらせ方です。コーラスとホーンとでどんどん盛り上がっていくのかと思ったら、「春の歌~ / 聞こえるか~」と歌ってぷつりと終わる。なんか、尻切れトンボ。
   ここは、サビをリフレインして、フェードアウトしていった方がスケール感も出ていいんじゃないかなぁ、と、素人なりに考えました。

   まとめると、藤原さくらさんの「春の歌」のカバーは、クセは強いけど、オリジナル版では気付かなかった良さを発見できて結構好きかも、というのが僕の感想です。みなさんはどう感じましたか?

* * *
   今月末('17/08/30)に「ねごと」が「空も飛べるはず」のカバーを出します。そのとき、また感想を書きながら、「空も飛べるはず」のカバーのお話をしようかと思います。 Google Play Music で調べたら、けっこういろいろな人がカバーしていて、聴き比べると、面白そうでした。