スピッツ「マフラーマン」感想

   7thアルバム「インディゴ地平線」の10曲目に収録されています。
   実験的な面も多いけれど、地味に好きな曲です。

   まず、ギターもベースもクールでかっこいいです。マフラーをたなびかせながら、時速60kmぴったりで、海岸線を走っていくバイクの姿が目に浮かびます。あくまで法定速度は厳守で。
   次に、サビの「ハイパーな愛に賭ける」という歌詞がビビッときます。かっこいいんだかダサいんだかわからないのがいいですね。子供のころに、TVや漫画で知ったちょっとカッコよさげなカタカナ言葉を、友達同士で叫んで遊んでいたのを思い出します。「ハイパーなんちゃらクラッシュなんちゃらキーック」みたいな。

   間奏では笛(フルート?)がヒュロヒュロ鳴っていて、これがまたミステリアスでかっこいい。って、これは「シュラフ」でも流れていた笛と同じではないでしょうか。もしかしたら、「シュラフ」と「マフラーマン」は同じ世界観を共有する地続きの物語なのかもしれません。

   どこにでもいる平凡な少年が林間学校に来て、森のなかに張ったテントで級友と眠っている。実は少年の入った寝袋だけシュラフー帝国の偽シュラフにすり替えられていて、真夜中に不思議な笛の音とともに寝袋ごと連れ去られてしまう。そして、悪の改造手術を施されそうになるのだけれど、間一髪逃れて、半改造人間の正義の「マフラーマン」として、憎きシュラフ―帝国の悪の怪人と戦う。法定速度と法律は順守で。
  どこかで聞いたようなストーリーですが、ふとそんなことを思いました。