スピッツ「さざなみCD」アルバム感想 その1

 2007年10月発売の12枚目のオリジナルアルバムです。
 「魔法のコトバ」「ルキンフォー」「群青」のシングル3部作を収録しています。
 前作「スーベニア」から約3年空いており、このアルバム以降、発売ペースが3年間隔になっています。
スピッツ「さざなみCD」

っごい個人的な話から始まるのですが、このアルバムの発売の1年前に人生初めての彼女ができました。
 一生彼女なんてできない、孤独にしか愛されていない、と思っていた自分に、なんと、かわいい彼女ができたのです!
 ええ、もう空を飛びますよ。強くだってなれますよ。
 2006年から2007年はふわふわと宙に浮いた心地で、とても幸福な時期でした。

 というのは半分本当で半分嘘で、実際は仕事がものすごく忙しくて、地獄でした。(まあ、ある意味カーニバル的で楽しかったですが)
 この時期は地元の金沢に帰任していたのですが、仕事はほとんど横浜にある親会社がメインで、一月のうちの9割は横浜に出張してホテル暮らしをしていました。
 毎日夜遅くまで働いて、ときには土曜出勤してそのまま横浜に居残って、翌週も連続で出張しての繰り返し。月に1,2回帰ってきて、週末に彼女と会ってデートするのだけが楽しみでした。
 連泊していたホテルに彼女から励ましの手紙が届いて、くすぐったい思いをしたり。なんちゃって遠距離恋愛気分を味わっていました。
 そう思うとやっぱり幸せな時期だったんでしょうね。
 
のときのスピッツのツアーは彼女と二人で行きました。
 それまではライブやコンサートには一人でしか行ったことがなかったので、誰かと二人でライブに行くなんて初めての体験です。
 せっかくライブに来てもらえるんだから、彼女には最大限に楽しんでもらいたいと、事前にスピッツのマイベストアルバムを作って渡したり。なんか一生懸命努力してました。かわいいな、自分。
 コンサート会場は隣県の福井だったので、ライブが終わってから帰ると結構遅くなります。しかし、車中ではライブの感想を話したりして、長いドライブもほろ酔い気分で楽しかったように思います。(酔ってたのはアルコールじゃないですよ、スピッツにです)
 ちなみに、そのとき作ったベストCDは今も車のなかにあります。

いった感じで、プライベートに大きな変化があり、充実した日々を送っていた時期に発売されたのが、「さざなみCD」です。
 届かない思いだけじゃなく、届いちゃった思いまで経験して、両刀使いになった28歳男子には、きっとスピッツの恋のうたもこれまでよりも深く、多面的に聴こえたはずです。
 さあ、果たして!!??

 ……長くなったので後編に続きます。次こそ、アルバムの感想です。
 ⇒スピッツ「さざなみCD」アルバム感想 その2