スピッツ「涙がキラリ☆」感想

 6thアルバム「ハチミツ」の2曲目に収録されています。
 また、スピッツがブレイクするきっかけとなった「ロビンソン」の次のシングルとして発売されました。
 ロビンソンがあまりに売れすぎてこちらはやや影が薄い気もしますが、改めてwikiで調べてみると、98万枚の大ヒットでした。ヒットしていたのは知ってましたが、ミリオンまであと一歩だったとは。すごいし、惜しい。

スピッツ「ハチミツ」

「ロビンソン」か「涙がキラリ☆」かと言われれば、自分はロビンソン派ですが、いまこの記事を書きながら聴きなおしてみると、細かいところで言葉の選び方が本当にうまいなぁと感心させられます。

 例えば冒頭の歌詞。ただの夕暮れじゃなくて「目覚めてすぐのコウモリが飛び始める夕暮れ」と書くことで、情景が想像できますし、野生動物を出すことで、この後に続く男の子の欲望の比喩にもなっている。
 そして、そもそも君を「バレないように連れ出す」時刻が夜ではなくて夕暮れというのも、闇にまぎれていくようで、冒険めいたわくわく感があります。
 また、全体的にものすごく控えめな要求ばかり(君の記憶の片隅に居座るだけ、弱気なまなざしでみつめるだけ、がっつりじゃなくてちょっと触りたいだけ)なのに、サビでは「僕」ではなく「『俺』が天使だったなら」と、へんに男っぽいのもいい。虚勢を張って強がっているのがたった一文字でバレバレです。
 
 ちなみに一番好きなところは「浴衣のそでのあたりから漂う夏の景色」です。フェチの入ったちょっとエロい感じが好きです。浴衣いいですよね、浴衣。