【感想】T-SQUARE ”FLY! FLY! FLY!” ~ポップなジャケと軽快なサウンド

 「FLY! FLY! FLY!」はT-SQUAREの48作目のオリジナル・アルバムです。

   そして退団の決まったリーダー兼ギターリストの安藤正容さんが在籍する最後のアルバムでもあります。


「最後」というので卒業式的な大仰で湿っぽいものだったらどうしようと不安でしたが、聴いてみたら全然そんなことはなかったです。

   そもそもジャケットからしてポップで愉快ですし。

   スターに乗ってどこかを目指している男の子と女の子と白猫(と変な生き物)。かわいいし、ワクワクします。

T-SQUARE ”FLY! FLY! FLY!”


   そのポップなイメージ通り1曲目「閃光」、2曲目「FLY! FLY! FLY!」とも明るくノリがいい曲が続きます。

   鳥の鳴き声のSEから始まる③「Only One Earth」は地球の神秘を感じさせてくれるジワジワとアガる一曲。

   中盤の⑤「brand new way」⑥「Growing Up!」もEWIの音が伸びやかで気持ちよく、⑦「The Hotrodder」はギターが歪んでいて今作一番ロックしています。

   ラスト⑨「Joy Blossoms」もバラードではなくミディアムテンポで力強く前向きにラストを締めてくれます。


   湿っぽさは一切なく、むしろ明るく軽やかで、新しい始まりを感じさせてくれる春のようなアルバムだと思いました。

   唯一の不満は軽やかすぎて、音が軽いところでしょうか。低音が少し弱い気がします。ベースラインがあまり印象に残らないのも気になります。


   さて、初回限定版にはDVDが付いています。

   そのDVDのインタビューで、本作について、

   ギターの安藤さんは「フュージョンっぽくない。UKロックっぽい」、

   サックスの伊東たけしさんは「どの曲もチャーミング」と話してました。


   またドラムの坂東慧さんはこれからのT-SQUAREについて「もっと若い人にも聴いてもらいたいし、若いミュージシャンとも(バンドを)やりたい」と話してました。


   ちなみにDVDのインタビューはそんなに堅苦しいものではなくて、レコーディング風景を挟みながら、「FLY! FLY! FLY!」の各曲をBGMに流しての映像なので、観ていて楽しかったです。


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   本作発売のあとに、もとメンバーの和泉宏隆さんが心不全で逝去されたという知らせがありました。

   ご冥福をお祈りします。


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