ハープ、ギター、ロック!! ザ・クロマニヨンズ「MUD SHAKES」感想

    クロマニヨンズの14枚目のアルバム「MUD SHAKES」を聴いています。

ザ・クロマニヨンズ「MUD SHAKES」


   今年(’20年)はクロマニヨンズのライブツアーがコロナの影響で途中で中止になったので、さすがに毎年恒例のスタジオ・アルバムは発売されないだろうなぁと思っていました。

   しかし!そんな心配を吹き飛ばして、新しいクロマニヨンズのアルバムが12月ぎりぎりに届けられました!やっほぉ!


   いつも通りと言えばいつも通りのロックアルバムですが、今回はますます歌詞が短くシンプルになり、代わりにハープやギター、ドラムがこれまで以上に前面に押し出されていました。

   特にハープがかっこよかったです。

   先行シングルの「暴動チャイル」の演奏をテレビで観たときから、ヒロトのハープがかっこよすぎる!と感動したのですが、⑧「メタリックサマー」でもハープが良い味を出していました。

   また④「新オオカミロック」ではマーシーのギターソロが爽快で、ああこういうのを待ってた!と思わず握りこぶしをグッと作ってしまいました。

   前述の「メタリックサマー」はドラムも前ノメリで熱いです。

   全体的に楽器の音が力強くて聴き応えがあり、このアルバムの特色になっていると感じました。


   ちょうどアルバム発売前にヒロトさんがテレビに出演して「(若い人は)歌詞を聴きすぎ。歌詞を追いすぎてる」と話してました。

   その言葉通り、歌詞ではなくて音がかっこいいロックアルバムに仕上がっています。(いつも以上に!)


   以下、全12曲の簡単な感想です。

   僕のおすすめは①②④⑧⑪です。


① VIVA!自由

「言葉に手錠をかけて 懲役5億年 自由は最高」という歌詞が先程のヒロトさんの「歌詞を聴きすぎ」という言葉と重なります。

   作詞作曲がマーシーというのも面白い。二人は息ぴったりですね。


   ところで「自由は最高 自由は最高♪」とリビングで気分よく歌っていたら、となりにいた幼稚園児の三男が「自由は最高じゃない。だって好き勝手にしたら怒られるから」と言い出して、ギクッとなりました。

   なんて言おうかと、頭のなかで『自由は最高と言っても何をしてもいいわけじゃない、みんなの迷惑にならないようにルールは必要で……』とかなんとか考えていたのですが、んーなんだかロックじゃないなぁ、と思いました。


② 暴動チャイル(BO CHILE)

   最初に書きましたが、とにかくヒロトのハープがかっこいいです。

   もちろんハープ以外の演奏も全部かっこいい。熱いです。

   この演奏だけでご飯何杯でもいける!


   歌のなかに「サンタクロースの名簿に載っていない子供がいる……ロックンロールにさらわれる」という歌詞が出てきます。

   そういえば息子に「いい子にしてないとクリスマスの日にサンタさんが来ないぞ」と言ったことがあるのを思い出し、ドキッとしました。

   

③ 浅葱色

「水平線まで 浅葱色 越えて行くんだな ホームラン」という歌詞が爽やか。

   短いギターソロ(?)も爽やかで良いです。


④ 新オオカミロック

「ロック ロック オオカミロック」というフレーズがシンプルで気持ちいい!

   これを聴いていた妻が「小学生が好きそうだよね?」と言ってましたが、大人も好きですよぉ。


   またマーシーのギターソロが爽快感にあふれてます。

   アルバムを重ねるごとにギターソロが減ってる気がするので(そうでもない?)、もっといっぱいやってほしいですね。

   個人的にはアルバム中1,2位を争う大好きな曲です。


⑤ カーセイダーZ

「稼いだぜッ!」


⑥ ドンパンロック

「さっきまで平気だったのに 急に会いたくなる
   わずか君の小指がふれる だけでいいのに」

   と、中高生のようなことを歌っていて、赤面しそうなります。

   バックで「ドンパン ドンパン」とコーラスが流れているのが照れ隠しのように聞こえなくもない。

   歌詞に「オートバイ」と出てくるのでマーシー作曲かと思ったらヒロトでした。


⑦ 妖怪山エレキ

   山びこのことを「山はハウるよ」と表現しているのがおもしろいです。


⑧ メタリックサマー

   イントロからドラムがかっこいいです。ぐるぐる回ってる激流のよう。

   間奏ではヒロトのハープが暴動チャイルに負けず劣らず、変幻自在にうねり、魅入られます。


  それにしてもラストの「ズベ公と俺はまっぱだかだった」という歌詞の「ズベ公」がわからなくて意味を調べちゃいましたよ。汗


⑨ 空き家

   飄々とした雰囲気の歌です。

   普段は歌詞に意味を求めないのですが、この歌だけはツッコみたい!

「財布と娘 …… あずけてくれりゃ お前ん家 空き家になる」

   ってどういうことなんだーーー、教えてーー。


⑩ 新人さん

   仕事覚えたての新人さんを応援してます、という歌。優しい。

   新人さんに厳しくあたってはいけません。


⑪ ふみきりうどん

   踏切の音を連想するようなぽんぽんぽんという音がバックで鳴っていて、いい意味で気の抜ける歌です。

「ふみきりうどん 食べに行こう カラーテレビが降っている」という歌詞が意味はわからないけど良いです。ずっとリフレインしたくなります。


   ただ、タイトルがあまりよくないというか、聴きたくなるような魅力を感じないのはどうかと。クロマニヨンズはたまにありますよね、いい歌なのになんかタイトルが……ってやつ。

   歌詞に深い意味はなくてもタイトルはファーストインスピレーションに関わるので大事かと思います。


⑫ かまわないでくださいブルース

   もっとロックなものを想像していたら、こたつに入ったままダラーッとしているような歌でした。

   はい、勧誘やら余計なオプションやらは、いらないです。


* * *

   以上、クロマニヨンズの「MUD SHAKES」の感想でした!

   いつもどおりロックを楽しめるアルバムです。

   ますます音が気持ちよくなってきている気がしますね。


   それにしても「自由は最高」に対する三男のツッコミや、サンタについて自分が子供に言ったことを思い返して、俺全然ロックじゃないなー、かっこ悪いと思って、ちょっと凹みました。

   大人っていやだなー、親なんてなりたくないなー。(駄々っ子か)


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