初のJAZZアレンジセルフカヴァー!徳永英明「太陽がいっぱい Plein Soleil」感想

   前作のセルフカヴァーベストから約1年。
   待ちに待った徳永英明のセルフカヴァーベストIIが発売されました。
   タイトルは「太陽がいっぱい Plein Soleil」です。

   今回の特徴は何と言っても全曲JAZZアレンジなところです。
   最初、JAZZアレンジと聴いたときは、徳永さんにJAZZのリズム感が出せるのかとちょっと不安にも思ったのですが、アルバムを聴いたら、むしろ今までなんでやらなかったんだろうというくらい、どの曲も気持ちよくJAZZしてました。
(といっても普段ほとんどJAZZを聴かないので、偉そうなことを言えるほどの耳も持っていないのですが。汗)
   原曲の良さ5割、アレンジの良さ8割、ボーカルの良さ4割の会心のアルバムになっています!(え、計算が合ってない?そこは気持ちということで)

   どの曲もJAZZという新しい命を吹き込まれたことで、ピカピカに生まれ変わってます。
   ライブパフォーマンスが楽しみ!!早くライブで聴きたいです。
   ということで、一曲ずつ感想を書いていきます。
徳永英明 太陽がいっぱい Plein Soleil セルフカヴァーベストII ポストカード

1.夢の続き

   アルバムの曲目が発表されたときに最もJAZZアレンジが似合いそうだなと思ったのがこの曲でした。普段はあまり聴かない歌なこともあり、今回のJAZZバージョンでどう化けるのかがとても楽しみでした。

   で、聴いてみたらやっぱりよかった!イントロで高らかに鳴るホーンが、まるでスパイ映画のオープニングのようで、何か面白いことが始まるぞというワクワク感にあふれています。
   最近の徳永さんのアルバムって1曲目がおとなしいものが多いので、(眠くなるから)車で聴きづらいのですが、今作は1曲目から目がぱっちり覚めてくれて素晴らしい。
   妖艶でリズミカルで痛快で、めっちゃ踊りたくなります。

「君はブルーベリーの瞳」と歌う声にちょっとエロスを感じました。

2.FRIENDS

   まさか「FRIENDS」がまた聴けるとは、という驚きの一曲です。
   この曲もあやしい感じが溢れていています。1題目と2題目の間のトランペットが、夕日っぽい寂しい響きをしていて好き。

3.太陽がいっぱい

「輝きながら」と同じく先行配信されました。
「輝きながら」のアレンジがあまりにインパクトがありすぎて、やや霞んでしまった感もありますが、ピアノ中心のシンプルなアレンジが、この歌には一番合っていると思います。
   原曲よりもさらっと歌っているのがいいなと感じました。あたたかく包み込んであげる、という感じではなく、となりにいてともに包まれよう、という感じ。
   気負いのない優しさといえばいいのでしょうか。年を重ねることで出せるものがありますよねっていう。

4.MIKONOS

   これも「夢の続き」同様踊りたくなる。サックスが楽しいです。
   ライブでは「All Night Long」の繰り返しのところで、気持ちよく体を揺らしていたいです。

5.輝きながら……

    実は「輝きながら」はそんなに好きな曲ではなくて、今回のセルフカヴァーもほとんど期待していませんでした。ところが先行配信のMVを観た瞬間、おお!って感嘆し、ニヤニヤが止まらなくなりました。
   祝祭のパレードのような賑やかさと華やかさがあり、これまでの「輝きながら」のなかでは一番好きです。

   MVでは、バックにいつもにないトランペットやサックスをしたがえて、軽くダンスもまじえながら歌っています。ノリノリですごく楽しそう。実際、歌もノッてますしね。
   特にBメロとサビの間に鳴るホーンがパンパカパーンって感じで盛り上がっていて、笑っちゃうくらい楽しいです。最高っす。

「彩づけるけれど」の「ど」を、押し出すように力強く歌っているところが地味に好きです。

6.LOVE IS ALL

   この歌は内容的に、重くも軽くもアレンジできると思うのですが、今作はピアノの旋律が流麗な軽やかなアレンジでした。スムーズジャズというジャンルになるのかな。カフェで流れてそうな感じ。
   ピアノと管楽器(ホルン?)の掛け合いが心地よいです。

   ここまでの曲を聴いてみて、徳永さんの歌や歌声と同じくらい、楽器の演奏やソロにも力が入ってるなと思いました。

7.Wednesday Moon

「Wednesday Moon」といえばライブの鉄板曲です。
   出だしを聴いたときは原曲よりもテンポが遅めなので、アレンジに疑問がわきましたが、サビではしっかり盛り上がっているので安心しました。
   サビのベースのずんずんと下から押し上げてくるようなリズムがお気に入りです。危ない感じが何だかクセになりそう。そしてちょっとエロく感じるのは僕だけ?

8.風のエオリア

   原曲を初めて聴いたときはちょっと古臭い曲というイメージでした。
   ただ「鷺色の風に踊る妖精」というフレーズだけは今聞いても新鮮。
   今回のアレンジで現代チックによみがえってくれたので、古臭いイメージが払拭されてよかったです。
   ちょっとひんやりとした感触がこれからの暑い季節にいいかも。(あ、だからエアコンのCMに使われたのか)

9.I LOVE YOU

   ピアノ、ウッドベース、ドラムのトリオ。個人的に好きな編成です。(ボーカルがいるからトリオではないのかな。カルテット?)
   原曲よりもテンポ遅めで粘っこい仕上がりになっています。
   粘っこいというのも変な表現ですが、とにかくサビでの力強さが原曲以上です。
   回想のなかのひたむきな主人公の姿に、心が熱くなります。

「好きだ好きだ好きだ好きだ」の部分のリズムの取り方と好きの回数を正しく言えることが難しい曲ですが、今回のアレンジではよりいっそう難しくなっていますね。

10.レイニーブルー

   レイニーブルーは聴きすぎて飽きてしまいそうで、意外となかなか飽きない。不思議な魅力があります。
   バージョン違いだけでアルバム一枚作れそうなくらいたくさん歌われていますが、今回のJAZZアレンジでまた新しい側面を見ることができた気がします。

   初期のレイニーブルーの特徴が「透明感」だとしたら、今作のレイニーブルーからはリアルな雨の匂いがします。酒やたばこのにおいが混ざったような、濁った感じ。
   人生を語りながらバーで飲んでる時間によく似合いそう。オトナな雰囲気が漂っていています。
   これがレイニーブルーの一つの到達点なのではないでしょうか。いいですね。

   NHK BSでの持田香織さんとのデュエットも素敵でした。

   ここまでが本編で、次の2曲は限定盤Bのみのボーナストラックです。

11.Revolution

「Revolution」といえばライブ、特に「Revolution_on_Film」のアンコールでの激しい盛り上がりを連想してしまいますが、今回のアレンジはふわっとしています。雲の上をてくてくと歩いてる感じ。なんだか聴いているとくすぐったくなります。
「Love is all」と世界観がつながっていそうなので、合わせて聴くと、軽やかで心地よいかも。

12.BIRDS

   スリリングでクールな仕上がり。特にアウトロのぐいぐいと引っ張っていくような盛り上がり方がたまりません。大きな鳥が空へと羽ばたいていくようです。かっこいい。ラストにふさわしいです。
   これもライブで聴きたい一曲ですね。

   ところでBIRDSは初めて聴いたときから「古臭い」ではなく、「古めかしくてアンティーク(?)で良い」というイメージでした。この辺の良し悪しの感じ方の違いってどこで生まれるんでしょうね。


むすび

   昨年の秋冬のツアーで体調を壊された後のスタジオアルバムだったので、声の調子や楽曲のクオリティに心配と不安がありましたが、蓋を開けてみたら、心配したことが失礼なくらいの会心作でした。
   徳永さん、JAZZ似合ってる!JAZZいいやん!と感じて嬉しくなりました。

   従来からの透明感のあるバラードや、VOCALISTシリーズで得た60~70年代風のヴィンテージなアプローチ、前作セルフカヴァーでのロックテイスト、そして今回のJAZZと、年を重ねるごとに歌の幅が増えてますね。
   何年かあとにはまたオリジナルアルバムも作製されると思うのですが、それがどんな出来映えになるのか、今から楽しみです。
   なんて書くと気が早いですかね。

   まずは今年のJAZZアレンジのツアーです。
   早く聴きたいなー。ライブ会場で体を揺らしたいです。