スピッツ「ハヤブサ」アルバム感想

  「ハヤブサ」は2000年7月に発売された9枚目のアルバムです。
  僕は99年から01年までの2年間、大学に編入して名古屋にいました。大学在学中に発売された唯一のアルバムであり、結果的に、これが学生時代最後のスピッツのアルバムになりました。また、スピッツのライブを初めて観に行ったのもこの隼のツアーのときでした。
スピッツ「ハヤブサ」

  当初、曲数が14曲と多いことにびっくりし、ジャケットがこれまでと違って宇宙的なことにびっくりし、中を開けると歌詞カードが小さいことにびっくりし、と、聴く前からこれまでのアルバムと違う雰囲気をあちこちから感じました。
  ※アイキャッチも宇宙っぽく、ウルトラ怪獣のみなさんに出演してもらいました。

  アルバム全体のイメージは先行シングルの「ホタル」「放浪カモメはどこまでも」「メモリーズ」を足して3で割ったような印象です。
  聴かせる曲として「ホタル」「甘い手」「ハートが帰らない」「ジュテーム?」があり、明るいロックナンバーとして「放浪カモメはどこまでも」「アカネ」があり、ガンガンなライブチューンとして「メモリーズカスタム」「いろは」「8823」があり。いろんな種類の曲が詰まっていて、まるでおもちゃ箱のようです。

  ただ、シングル曲以外にこれだ!といえる曲が最初はなくて、小粒な曲ばかりという印象が強かったです。(今なら「8823」を名曲として推しまくるのですが、当時は「Loveと絶望」や「ギター炸裂」という歌詞がちょっと苦手で良曲止まりでした。)
  もう一曲、決定的な曲があれば(例えば、フェイクファーの「楓」のような)、スピッツの好きなアルバムのベスト3を争えたと思うのですが、ちょっと及ばずといった感じです。

  とはいえ、だからダメというわけでもなく、とても好きなアルバムです。大学生のころは、料理をしながら、読書をしながら、夜一人で安い焼酎をあおりながら、名古屋のアパートで毎日聴いていました。
  「さらばユニヴァース」から「甘い手」の流れで泣きそうになったり、「ホタル」を聴きながら高専に通っていた十代のころを幻のようになつかしんだり(当時21歳でした)、「ジュテーム?」を聴いて恋がしてぇーと悶えたり。

  名古屋に来てから購入した「花鳥風月」と「ハヤブサ」は狭いアパートの6畳間のイメージと切っても切り離せないものがあり、今でも静かな夜に聴いていると、学生時代の何もない自由や一人の寂しさを思い出します。
  
  最近は、ランニングのお供によく聴いています。(個人的な感傷は置いておいて)ノリのいい曲が多いのでランニングのBGMにおすすめです。8823がかかると、ついついペースアップしてしまいます。(「ハートが帰らない」あたりで小休止です)
スピッツ「ハヤブサ」(Amazon)

  おすすめ曲は、シングル3曲を除くと、「8823」「アカネ」「さらばユニヴァース」「甘い手」「ジュテーム?」です。

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