スピッツ「リコリス」感想

   スペシャルアルバム第3弾「おるたな」の1曲目に収録されています。

   メルヘンの森が描かれた白色のジャケットを開けて、同じく白色でデジタル信号の"0"と"1"の間に妖精が隠れていそうな円盤を取り出して、オーディオプレイヤ―にセットすると、アコースティックギターのさわやかなメロディが流れ出します。朝露に濡れた不思議の森に優しい光が差し込むようです。
   アルバム「おるたな」はそんな「リコリス」の清々しいイントロで幕を開けます。
   4分弱の曲を聴き終わっても最初に感じたさわやかな印象は消えることなく余韻として残っています。新しくなつかしいミント系の音楽です。アルバムの1番に持ってくるには、パンチが弱い気もしますが、柔らかくて優しい始まりで、好感度は非常に高いと思います。

   それにしても「リコリス」って何だろう?不思議な響きがします。パリで食べた「マカロン」のような甘くておいしいお菓子や、「ナタデココ」のような独特の食感と清涼感のあるお菓子を想像します。
   よし、せっかく感想を書くのだから調べてみよう。10年間漠然と思い描いていただけの「リコリス」の形がついに明らかに……

   世界一まずい!とウワサの北欧名物リコリス菓子ってどんな味?

   ってこれかい!! むかし、ヴィレッジヴァンガードで、「世界一まずいグミ」というPOPが貼られていたのを見て、興味を引かれて買ったことがあります。ゴムを食べたような味がして、口に入れた瞬間に反射的に吐き出した覚えが……

   えーー、曲のイメージや歌詞の見方が180度変わっちゃうのですが……。びっくりです。10年間持っていたこの曲のイメージは何だったのか。

「その笑顔はリコリス味」とか「触れ合うことから始める」とか、リコリスがあの真っ黒なお菓子だとなると、なんか意味合いが……。最初は拒絶というか、いきなりは無理だからちょっとずつというか……なんだろ、もっと甘酸っぱいものを想像してました。

「輝く何かを追いかける」ーーリコリスが輝く何かには思えないのですが、いつかきっとリコリスをおいしいと思う日も来るってことなのか、それとも、あきらめて、他の何か(別のお菓子)に走るってことなのか。
  どちらにしろ、 「リコリス」のさわやかなイメージが煙と消え去ってしまいました……

* * *
   ちなみに……
   リコリスはスペインカンゾウというハーブの根の部分のことで、ヨーロッパや北欧では健康に良いとされているそうです。そうか、あの味はハーブの味なのか。食べる前に、こうした知識を知っていたら、また違った感想を持てたのかな。
   次にリコリスを見かけたら、もう一度(食べるのに)挑戦してみようと思います。