「おるたな」は2012年2月に発売されたスピッツのカップリング集第3弾です。
「花鳥風月」「色色衣」の流れで”カップリング集”と書きましたが、実際には14曲中8曲がカップリング曲で、6曲はカバー曲なので、アルバム未収録曲集とかスペシャルアルバムと呼んだほうが正しいのかもしれません。
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| スピッツ「おるたな」 |
タイトルが平仮名4文字という点は前作「とげまる」と共通なので、「とげまる」と対をなす位置づけと思われます。「とげまる」を作製していた時点ですでに「おるたな」の発売を意識していたのでしょうか。どうなんでしょう。
実は、前作からのリリース期間が短く、唐突に発売されたイメージが強く、当時あまり雑誌や会報で情報を集めることができなかったため、その辺の事情をいまいち把握できていません。
収録曲の録音年代はカップリング曲が2003-2009年、カバー曲が2002-2011年となっています。00年代のスピッツを知るのに良いアルバムだと思います。
カップリング曲については、「色色衣」ほどとんがった特徴のある曲はなく、どれもスピッツらしいメロディのきれいなさわやかなものが多いです。ラストの「オケラ」だけはロックテイストが強く、やや異色ですかね。
また、カバー曲は、どれもスピッツらしさと原曲の良さとが両立していると思います。バンドアレンジがうまいですね。特に「さすらい」は奥田民生さんがスピッツのために曲を書いてくれたんじゃないかと思えるくらいよく似合っています。
３つあるカップリング集を寸評すると、「花鳥風月」はスピッツのいいところがギュッと詰まっていて一番好き。「色色衣」はおもちゃ箱みたいでライブ感もあり楽しい。「おるたな」は安定したいつものスピッツと、いつもと違う（よそ様の曲を歌った）スピッツを交互に楽しめる、です。
「おるたな」のおすすめ曲は「さすらい」「夕焼け」「テクテク」「オケラ」です。「三日月ロックその３」「初恋に捧ぐ」もいいです。