どの曲もシングルカットできる名盤 ~徳永英明「REALIZE」感想

「REALIZE」は徳永英明の5枚目のオリジナルアルバムとして1989年に発売されました。
   赤紫色の大地に立つ徳永さんの姿がかっこいいですよね。歴代ジャケットのなかでは1,2を争うくらい好きです。
徳永英明「REALIZE」(Amazon)

   自分のなかでは、「DEAR」までの4作と本作「REALIZE」との間に1つの区切りがあると感じます。「DEAR」までにあった古くささが「REALIZE」では払拭され、90年代以降に通じる洗練さが現れています。
   また、音の面では、サウンドが明るくカラッと抜けた観があります。ボーカルについても、今まで強めにかかっていたリバーブが抑えられて、これまでは細くてやや弱く感じられた歌声が、透明感はそのまま、強く太くなっており、表現力が豊かになっています。
   ここから第2期徳永英明が始まったというのが第一の印象です。

   アルバム全体の感想を一言で述べるには、90年代後半の音楽雑誌に載っていた「どの曲もシングルカットできるアルバム」という言葉を借りてくるのが一番良さそうです。(徳永さん本人かライターさんの言葉だったかは忘れましたが)
   僕はこの高評価な発言を見てハードルが上がった後にアルバムを買って聴いたのですが、「REALIZE」は高くなったハードルを軽々と飛び越えてきてくれました。
「たしかに、どの曲もいい!!」

   単純にシングル曲が10曲中3曲も占めているというのもありますが、代名詞のバラードあり、ライブ曲あり、メッセージソングあり、小さな可愛い歌ありで、いろんなエッセンスが詰まった豪華で贅沢なアルバムだと思います。

   そんな贅沢な曲たちを簡単な謳い文句で分類してみました。
  • バラードの名曲: ①君の青、⑥恋人、⑨最後の言い訳
  • ライブで大盛り上がりの名曲: ⑧MYSELF~風になりたい~、
  • ついつい口ずさんでしまう名曲: ⑩僕の時計
  • ライブで弾ける名曲: ③ラバーズ、⑦コバルトに消えたブルー
  • うっとりさせてくれる名曲: ⑤そして星になったよ
  • 悩ましい名曲: ②眠れない夜
  • 希少な英詞曲: ④You're in the sky ~Eolia~

   おすすめは......たくさんになりそうなので、あえて1曲だけあげるなら、⑩「僕の時計」です。
   町の花屋に飾ってある小さなかわいい花のようで、自転車に乗りながらふとしたときに、ついつい口ずさんでしまいます。