真夜中のホラー


   ホラーというか、進撃の巨人的な話なのですが。

   我が家の夜は、2階の8畳の寝室で家族5人で寝ています。
   僕ら夫婦は新婚のときに買ったダブルベッドで。
   子供たちは床に敷いたすのこベッドの上で。
   大人のシングル布団を3つ並べているので、7歳以下の子供3人だとかなり贅沢な広さですね。大人は2人でベッド1つなわけですから。

   上の子供二人はもうだいぶ大きくなったので一度寝たら朝まで起きることはありません。
   一方まだ小さい三男はほぼ毎日一回は泣きます。いつも22時から23時の間です。
   下のリビングでテレビを観ていたら上から泣き声が聞こえて慌てて2階にダッシュすることになります。
   でも三男は上の子たちに比べたら夜泣きが少なく楽な方で、抱っこしてちょっと添い寝すればすぐに泣き止んで、あとはすやすやです。※これはだいたい妻の役目。母、強し。男だとなかなか泣き止んでくれません。

   今回はそんな三男の真夜中のお話です。
   最近毎日のように0時を過ぎると、三男がむくっと起き上がって布団から這い出してきます。あるとき、僕は夢うつつでその様子を見ていました。
   僕はダブルベッドで寝ていて、三男はすのこベッドの上で寝ているので、目線としては高い壁の上から夜の草原を見下ろしている感じです。
   夜の草原で上半身を起こした三男はキョロキョロと周りを見て標的(大人)が近くにいないかを確認し、高い壁の上に標的をみつけると、のそりのそりと這ってこちらに迫ってくるのです。
   壁(ダブルベッド)の近くには掛け布団と毛布の樹海があるため、そこで這っている三男の姿はいったん視界から消えます。
   次に、視界に現れたとき、三男はぐおっと立ち上がって壁に手をかけています。立ち上がった三男は寝ている僕よりも頭の位置が高いので、某漫画の第1話目で超大型巨人が大きな壁を越えて顔を覗かせているシーンのようです。
   そして半分眠った状態の僕の身体を遠慮なく踏みつけて、その向こうで寝ている妻の横にもぐりこんでいきます。この進撃シーンは蹂躙・駆逐という言葉がぴったりです。痛い痛い!
   すのこベッドの上で起き上がってダブルベッドに手をかけ、僕の身体の上を通って妻の横にたどり着くまで全て無言というのがまた怖いです。

   このときはたまたま半分目を覚ましていたのでその一部始終を見ていたのですが、最近では気づいたら朝、三男が隣りにいることがあります。
   そこにたどり着くためには絶対僕の身体の上を通らないといけないので、寝ている間に顔や胸をがしがし踏みつけられていたのかと思うと、かなり恐ろしい気分になります。そのうち朝起きたら傷だらけになっていたなんていうこともあるかもしれません。
   ひええええーー。

   他に夜中の話と言えば、次男が鼻血を出して夜起きることが最近よくあります。
   夜、次男がうるさいなと思ったら、豆電球だけの薄暗がりのなかで血まみれの次男が立っている。これもこれで恐いです。