Fu Fu ♪ ドライブに合う一枚 ~徳永英明「DEAR」感想

「DEAR」は徳永英明のオリジナルアルバムの4作目として、1988年に発売されました。
徳永英明「DEAR」(Amazon)


   自分の中では、なんとなく前作「INTRO.」の延長上にあるアルバムという印象がありますが、「INTRO.」ほど古さを感じさせず、聴きやすいです。アーティストとしての徳永英明の過渡期にあたるアルバムだったのかもしれません。

   ヒット曲の「風のエオリア」を1曲目に持ってきているので、クールで暗いものを想像してしまいそうですが、実際にはポップでライトな部分も多く、ドライブにもよく合うアルバムだと思います。
   特に、1990ツアーのライブCDにも収録されている②「HONG KONG NIGHT」、③「あなたのために」、⑧「どれくらいの時がたてば」は、アップテンポでライブ向けの曲たちです。他には⑦「ガラス越しのあなた」もピコピコしていてダンサブルです。

「徳永英明 = バラード」というイメージがありますが、バラード以外のノリのいい曲だって、ばりばりイケるんだぜっていうところを示している一枚です。バラードに飽きたと思う人(そんな人は徳永さんの歌を聴かない気もしますが)はぜひ聴いてみてください。若干、時代がかっているところはありますが、そこはまあ20年ほど時間を補正していただいて。

   と、ここまでアルバムのライブチューンな面を推しておいてなんですが、僕が一番好きな曲はスローテンポな10曲目の「Melody-永遠の鍵-」です。霧のなかで歌っているような幻想的な雰囲気があり、ラストを飾るのにふさわしい広がりのある曲です。
   歌の後半で「僕の中はメロディ 君を飾るメロディ」というシンプルなフレーズを何度も繰り返すところが好きです。最後に向かって、少しずつ児童合唱団?の声が加わって、音が厚くなっていく構成も素敵です。透明感のある徳永さんの声と児童のコーラスはよく合っています。
   名曲だと思うのですが、自分がファンになったころにはすでにライブで歌われなくなっていたので、徳永さんのファンの間や、徳永さん自身のこの歌の評価はどうなのか、気になるところです。

   おすすめは①「風のエオリア」、③「あなたのために」、⑧「どれくらいの時がたてば」、⑩「Melody-永遠の鍵-」です。